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ペットボトルの昇天 |
2000/12/11 |
私の数少ない悩みごとのひとつがペットボトルである。
お茶を作成するのは手間だから2リットルペットボトルを買ってくる。
それはやがて空っぽになる。
私は立派な空ペットボトルを壊すのが後ろめたいので捨てられない。
燃える塵なのか燃えない塵なのかもよく分からない。
それで仕方がないので家の中に捨てるのである。
私の家には、ペットボトルを投げ捨てるための専用部屋がある。
その部屋は次第に、ペットボトルで埋まってゆく
困ったものである。
今日、かねてよりの計画どおり、
これらのペットボトルを袋につめて天井裏に昇格させた。
その袋は「塵のための塵袋」という洒落た名前の製品であった。
天井界を大宇宙と考えるとボトルを詰めた袋は中宇宙である。
ペットボトルは小宇宙であり、
蓋をした空のペットボトルにはわずかな水分がある。
その閉ざされた世界には微生物が住んでいるのである。
水分は蒸発と凝縮を繰り返し、
暗黒の天井界において円満な輪転を司っているのだ。