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金 魚 1996/09/20

 金魚を飼ったことのない人は知らないと思いますが、金魚をまじめに飼っていると、2、3年で30cm近くになってしまいます。家にはそんなのが2匹、普通の安物の60cm水槽で泳いでいます。

迷惑な贈り物

 数年前に、姪が最初の一匹を買ってきました。敬老の日にです。迷惑な贈り物の典型です。しようがないので、一番安くて小さい6リットル程度の飼育装置を買ってきて入れておきました。すると、しばらくして、それを見た姪が気分をよくしたのか、追加の3匹を買ってきました。もうそうすると、狭っ苦しくなるし、そもそもその装置はとてもやかましい、うなり声をあげる代物だったものだから、もっと本格的な、といってもごくありふれた安物の60cmの水槽装置を買ってきました。3000円ぐらいでした。これは、わりと自然な水音を出す優れものでありました。部屋の中で水音がするのは最初落着かないものがありました。部屋がなにか、浸水しているような気分がするのです。

費用はさほどかからない

。 私は、金魚には、お金をかけない方針をとっています。一番費用がかかるのは、人件費です。毎日3分程度は金魚のために働かなくてはなりません。次に費用がかかるのは、電気代です。8Wのポンプを年中無休で作動させています。あと、餌代が少々。水道代が少々。
 活性炭素フィルターとかの消耗品は使っていません。何年も使用しているぼろ雑巾みたいなものを使い続けています。水槽の底に石砂は入れていません。そんなものを入れていると、その掃除をしなければならなくなるからです。

日次処理

 水槽の水を6リットル程度捨てる。3本程度のペットボトルの水を水槽に入れる。水道の水をペットボトルに入れて所定の順番に置いておく。この水の量は冬場は減らすことができます。餌を適宜、投入する。以上。
 濾過装置が詰まってオーパーフロするか、あるいは気が向いたら洗う。濾過石袋だけは汲み置いたペットポトルの水で洗う。水槽の前面が曇れば拭く。以上。
 本当に、水道水ではなく汲み置きの水を使用しなければならないかどうかはわかりません。単に本屋で立ち読みした金魚飼育本の言いつけを守っているだけです。金魚は塩素と、急激な温度変化が嫌いだそうです。

1年目の夏

 水槽の水が緑色になって一寸先も見えなくなる。金魚が全然見えない。毎日相当な水を投入しても一向に透明にならない。それに相当するだけ緑色の生物が繁殖しているらしい。しかし金魚はどうも平気らしい。やがて毎日濾過機の中の綿を洗い続けることで透明になることを知る。この経験から、水を入れるよりも綿を洗うことを重視するようになる。しかし、これは間違った方針でした。

2年目の夏

 現在の2匹はたしか2年目の夏の、深刻な伝染病を生き抜いた連中です。その夏、姪が祭りに行って小さい金魚を何匹か捕まえてもってきました。それを水槽に入れたり、分離したり、さらに大きな水槽にするか悩んでいると、伝染病が発生しました。金魚達が大きくなって夏の盛りで水質が悪化していたのが原因であると考え、毎日多量に水を投入するようにしました。

実は金魚ではない

 2匹の金魚は金色ではないです。1匹は、黒と銀色と少々のオレンジのまだら模様。もう一つの方は、単なる、白い魚です。この白い魚は、最初は半分ぐらい赤い色の部分があったのであるが、もともとが、安物の魚だから、いつのまにか、メッキがはげて白い魚になってしまった。 これらの金魚を見ていると、まるで、アルミニウムとナイロンからできているように見える。金色でも赤色でもないのだから、単にしっぽの長いフナである。

まだ生きている

。 以上は6年前の話。実は白い魚の方はまだ生きている。頭にはマタンゴみたいなみっともない脂肪が付いている。気の毒なことに。私はもうほとんど世話をしていない。まあ半月に一度ぐらいは水槽の水を半分ぐらい換えているかもしれない。この魚はいつの頃からか、ガツガツするようになった。腹が減っている時に私の姿を見つけるとガツガツするのである。どうやら口に空気を含んで水槽の壁面を利用して大きな音を鳴らしているらしい。うるさい奴だ。私のことをエサの類だと思っているのだ。たぶん、脅かすとエサが近づいて来るのだと勘違いしているのである。