某インターネット掲示板の回想
ある日、受信したメールを見ていると、何とも恐ろしげな文面がありました。
「謝罪なき場合は、顧問弁護士と相談し、身元調査をし、法的手続きをさせて戴きます。」
蟇蝙蝠掲示板からの転送メールでした。この掲示板は昔、某自助グループのために、私の名義で登録設置した関係で、今も時々会員の投稿メッセージが自動転送されて来ます。私自身は、このなんとかの会に出席したことはなく、面識もほとんどありません。
某社会福祉士事務所の人が怒って「刑法第三十五章 信用及び業務に対する罪」を並べ立てて息巻いています。何事かと思って掲示板の流れを見ると、最初、真理さんという人が現れて、この社会福祉士事務所のカウンセリングはとっても素晴らしいと、ホームページのリンクを付けて宣伝していました。ホームページを見てきた常連のUさんが、
「高いね~。保険は適用されないのかな?やっぱり出費は大切なことだから、安くて良いお医者さんに相談した方がいいかも。探せばいっぱいあるよ。」
と、個人的に思った率直な感想を述べました。それに対しての業務妨害警告のメッセージだったのです。私は、一時間ぐらいの心理カウンセリングが一万円だったという知人の話を以前聞いたことがあったので、その値段の高さに改めて驚くことはありませんでした。しかし、冷静に親切にお客様にサービスの説明をすれば良いものを、心理カウンセラーを生業にしていながら、いきなり闘争的な性格を現していたのでは、自分で自分の商売の妨害をしているではないかと、私は訝しく思いました。
この掲示板ではソースを表示させれば投稿者の接続プロバイダを知ることができます。「真理さんと社会福祉士事務所の接続会社が同じなので、真理さんの投稿はサクラ記事だと思う」
と、私は、掲示板を管理しているKさんにメールしました。(この福祉士事務所名を検索すると盛んにインターネットで営業活動をしていて、様々な駅周辺のくちコミ情報掲示板に、10件ぐらい、2パターンの同じメッセージを載せていましたが、それがまさに、真理さんの提灯記事と文体、趣旨が同じです。)
Kさんは一連の投稿を削除してトラブルが無かったことにしてしまいました。すると今度は、和子さんと名乗る人が登場して文句を言いました。(和子さんの投稿も福祉士事務所と同じプロバイダです)。常連のSさんがKさんの弁護をしました。和子さんはとても怒って非難しました。そして真理さんの記事は価値があり、その福祉士事務所がまともなカウンセラーであることを強調しました。
すると今度は、(たぶん)Sさんが別名で登場して心理用語を駆使して和子さんをたしなめました。プライドが許さない和子さんはとても女性とは思えないような闘争宣言文句を並べ立てました。Kさんは次々と投稿者が一生懸命感情をこめて書いた記事を削除したので、今は、何事もなかったことになっています。ただ、恐がってか、名前を名乗らなくなったり、新しい名前に変えた人が、「初めまして」などと挨拶されているのが、嵐の後のような風情です。