戻る◀

網戸の張替え

 大掃除の一環として網戸の張替えをすることにしました。網戸は30年以上昔の、青色のものです。部分的に破れている所もありました。昔の網戸は青色か緑色です。網戸は蚊対策で、蚊は夏にいて、夏には涼しい色が良いだろうという単純なイメージで作られたものだと思われます。しかし網戸は年中取り付けてあって、冬にも薄ら寒い景色が青い網戸から見えます。私は真実を重視します。色相の間違った映像は心理的にも良くありません。幸い最近の網戸は、灰色や黒色なので網戸フィルターによって色相が歪められることはありません。
  金襴豪華な恰好の説教家が「黒や灰色は悪魔の色なので使用しないで下さい」などと単純なイメージからの考えで言うことがあります。しかし、私のwebデザイナーとしての経験から言うと灰色は有用な色彩です。平等であって偏光しません。あらゆる色彩に溢れた画像を引き立てます。灰色を外枠に採用することで、画の中の純白や多彩な色彩を一層輝かしく魅せることができます。
 網戸は微細な額縁の集合体だと考えられます。網戸はそれ自体が出しゃばって見えてはいけません。黒色の網戸は色相を変えず彩度(鮮やかさ)も落としません。明度が下がるだけなので自然な景観になります。私は網戸6枚のための黒い網を買ってきました。そのうちの2枚は内側が黒で外側が銀色になっていて外からは室内が見え難いものを採用しました。

 網戸の張り替え方はweb検索して参考にしました。最初の一枚の張替えは少し試行錯誤しました。私なりの網戸張りの生き方を確立してからは失敗なく完了しました。網戸張りには安物の専用ローラーを使用してゴムロープを溝に押し込んで網を固定します。ローラーはつばのある帽子のような形で片側から網を引きずり込みつつロープを押し込みます。自動機械です。ローラーの動く地点は現在点です。その現在点は大きく変動します。目印になる端は引きずられ網は撓みます。これにうろたえて無理やりコントロールしようと焦ってはいけません。それは神経症的な意志力を行使して自動車を横から無理やり押すようなことです。私の執った方法は、ロープの7cm未来を理想状態に設定して指で押さえておき、ローラーを逸脱しないように力を垂直に押し転がします。