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自治会の会計 (2017.4)

 今年、面倒なことに地区の自治会の会計と美化委員と班長にされてしまいました。自治会の総会は出席すると2,000円の弁当が頂けるのですが、私は毎年欠席していました。私にとって生臭食材満載の高級弁当もスーパー半額で200円の弁当と特に変わりないので、その程度の損失ならば他人とかかわって面倒に巻き込まれるのを回避するほうが楽です。
 誰も自治会の役員になりたくないので、毎年役員を順繰りに変遷するようになりました。しかしこれは、良くありません。被害が全員に拡散されてしまいました。多くの住民は各種役員の仕事内容を知らないので、毎年仕事内容を学習しなければなりません。これは効率的ではありません。
 そもそもそのようなことになってしまった理由は、次年度の役員を決めるのに長時間話し合いをしたり説得をしたりするのがとても時間がかかり、実質の仕事量よりも過大なストレスになってしまったため、問答無用に全世帯が順番に役員をするということになったのだと思われます。
 会計と美化委員はまだ経験がありませんでしたが、班長は10年前になりました。班長は4人いて、それぞれの分担地区の約12世帯の担当者です。その仕事は自治会費を徴収することと回覧板の管理、春の清掃と総会の出欠情報の収集、清掃作業の欠席者から罰金の徴収と参加者への褒美としてペットボトルのお茶を配達することです。私は知らない人を訪問するのが嫌です。嫌いな食べ物を無理して食べるぐらい気分が滅入ります。頑張れば出来るのですが、なるべくしたくないです。知らない人と交渉する時間を短縮するためにパソコンを活用しました。Accessで各種帳票を作成して万全の準備をしました。AccessはExcelと違い、データとその関連定義と入力画面と帳票が分離していて理解しなければならない概念が多いので習熟するのは時間がかかりますが、データに対して多種類の帳票を作成できます。対象とする仕事内容や人数を考慮すると大げさ過ぎたかも知れません。Excelは現在においての読み書き算盤に該当する誰もが習得しておくべき技能です。九九なんか覚えてなくてもExcelの必要最低限の使い方は習得しておくべきです。
 今回、自治会の会計業務をするにあたり、適当なExcel金銭出納帳テンプレートをダウンロードしてきて、前任者から渡された手書きの帳面の形式に似せて作成して後で貼り付けることにしました。ちまちまと手計算して記帳などやっていられません。
 会計の前任者から様々なものを手渡されて、見れば分かるとのことだったので、勉強して推測して、具体的なことはさっぱり分かりませんが大体の事は推測できました。銀行から金を下ろしてきてそれを、しかるべき領収書と交換してスクラップブックに貼り付け収集するのが主な仕事です。 
 4月某日知らないお婆さんがやって来ました。何やら言動が怪しい。もっともらしい書類と領収書用紙を私に手渡し丸投げしておいて後で取りに来るので金を用意しておけと言います。請求額を聞いても要領を得ません。たぬき算的な見積もり書類を提示されましたが、とても怪しい。皮算用の人数が変です。地区の上部組織への上納金を収める必要があるらしいのですが、巧妙な詐欺師かも知れない。毎日毎日、詐欺師の類から大量の迷惑メールが届く時代になって以来、私は人間に対して疑い深くなりました。
 請求単価は手渡された書類に書いてありましたが、世帯数表記が出鱈目です。正確な世帯数を調査するために自治総会の書類を見ると所々で年度表記などが間違っていて書類自体が信用できません。この地区は衰退していて集会では老人しか来ません。世帯数も次第に減少しています。どうせ得体の知れない団体とか神社への寄付金ですから少々金額を間違っても知ったことでありません。もしも良い具合に失態を仕出かして村八分にでもして頂ければ有り難いことです。逆に常識的な価値観から逸脱していて予測しにくい私の言動により、出会う人のほうが傷ついてしまう可能性もあります。