徴祭制度
お祭りが嫌いなのに、地区のお祭りに駆り出されてしまいました。
私の自治会での担当は領収書を収集する係です。春に得体の知れないお婆さんがやって来て、まんまとお金を渡してしまいました。それっきり音沙汰ないので心配していましたが、1週間後に自治会長が領収書を持って来ましたので、怪しいお婆さんは詐欺師ではありませんでした。本物の自治会担当役員でありました。その後、夏にまたそのお婆さんが来て神社の寄付金が入用だから用意しておくようにと言われましたので、お金を用意していましたが、いっこうにお婆さんは来ません。神様お祭り命の住民が怒るでしょうか。
偶然出くわした会長と地区の顔役には「秋の祭りのさいに合算して寄付しましょう」などと、私も無責任なことを申しました。顔役が調査したところ、お婆さんは夏休みにどこかにトンズラしたようです。今年の夏は暑かったですからね。避暑でしょう。
ところが秋になって会長が自治会上部組織の会合に出たところ寄付金は支払われていて領収書も発行してあるとのことでした。会長がそのお婆さんの家を教えてくれました。なんと向かいの4件目の近所でした。行ってみると夏休みから復帰しておられました。無事立て替えていただいていた寄付金を支払うことができました。残念ながら領収書は廃棄されていましたので、領収書を収集するという私の会計任務は失敗しました。
お婆さんは、鼻を負傷したとかの理由で秋の祭りの役を免除されたそうです。そのお役御免の鉢が私に回って来たのです。会長から詳しく神社の場所、出席する服装、自転車通勤可能か等々聞きました。
お祭り当日、教えてもらった神社に向かっていた所、途中の小さい方の神社で顔役に呼び止められました。どうやら私は新米の会長から間違った情報を仕入れたようです。今年の会長は自治会を欠席している間に祭り上げられてしまった気の毒な人です。何かと、よく分からない面倒事で難儀しているのです。
その小さな神社は三叉路の10畳程度の三角コーナーに鎮座してあります。8人ぐらい招集されていて任務はお接待です。参拝者は2人ぐらい来ました。みんな丸椅子に座って雑談していました。私は日陰で目を瞑って瞑想しました。瞑想内容は現在構築中のプログラムのアルゴリズでした。3時間ぐらい静かにしていた後、祭りの本隊が到着しました。10人以上の神職か一般人のコスプレか知りませんが白装束の人達がたむろして煙草なども吹かしながら無駄話を吹聴していました。
さらに若者が神輿を担いて見物人とともに来ました。打楽器は喧しいし怒鳴っているし怖いし4人も神輿に乗せているのに45度以上傾けて振り落とそうと試行錯誤していて無茶苦茶です。暴走族が蛇行運転して奇声を上げているのに似ています。昔の乗り物による伝統ある暴走族です。それをまあ延々と性懲りもなく続けて、ものすごく疲れると思います。たぶん何かの象徴です。上に乗ってる可愛いのは貴族階級で下々の荒くれ連中が革命を起こそうといくら頑張ってみても駄目ですよ、とかなんとか?