近況2018.11
11月2日に旧友(Mさん)から突然、情報交換のための会議をしませんかというメールがありました。記載された番号に電話をしました。失敗しました。耄碌していているのでポチポチと押している間に、途中で電話機に切られました。短気な電話機です。私は今年4月に電話機を新調しました。3,500円のコールセンター用の電話機です。両手で自由にパソコン操作できるので便利です。
Mさんに電話した結果、銀行の駐車場で13:30に落ち合うことになりました。ぼろぼろの自転車で行きました。ぼろぼろの自転車の利点は盗まれにくい点と、盗まれたとしてもまた新品の自転車を買えるから嬉しく思えることです。Mさんは社長なので当然、立派な自動車で来ていました。その車に載せてもらって喫茶店に行きました。私は生涯を通して喫茶店に入ったことが少ないです。記憶がさだかではないですが、3回~5回程度です。
30数年昔、私が30歳頃から10年間ぐらいMさん宅に頻繁に訪問していました。Mさんの最初の奥さんは都会出身のエレガントな美人でしたが、頻繁で不躾な来客を歓迎してくれました。しかし2度目の奥さんは来客を好みませんでした。次第に多忙になったMさんとは疎遠になってゆきました。
Mさんとは小学校で同級生だったと思うのですが、仲良くなったのは30歳頃に私が電気屋でアルバイトをしていた時にパソコンを見に来られた時からです。その当時、私は大川病院の精神科を退院後、スーパーの中を歩き回るアルバイトや本屋の集金配達や新聞配達等をした後、町内の電気屋で開催しているパソコン教室の先生の助手をしていました。
Mさんは社長業のかたわら世界的に活躍するサボテン研究家でもあります。昔からサボテンを海外から輸入したりパソコン部品も輸入して組み立てていました。英語に堪能で社会生活全般にわたり博識で頼りになる人です。
喫茶店の2階での約3時間程度の会談の内容は、世界のサボテン愛好家のための学術的データベース。イギリスに設置していた特殊なデータベースの継続が不能になったとかでサーバーとデータの移転作業をしなければならないそうです。byte列とかクラスデータ構造だとかよく分からない話をされました。Mさんは、C++ Builder等を駆使してプログラムを作成して仕事にも活用しています。家中LANを張り巡らせwi-fiも強化し、BonDriver,録画配信の話や、サボテン温室にパソコンを設置している話をされました。
Mさんは社長であるとか相手が貧乏人だからといって差別したり偉ぶったりする態度がまったくありません。性格と話し方は温厚です。無口な私相手にも質問を続けて会話が途切れません。さりげなく褒めたり同情したり親切な提案もされます。自然と相手の気分を良くさせてくれる能力があります。優れた心理カウンセラーにもなれたことでしょう。
一方、私の兄はそんな能力はありません。微妙な兄貴風を吹かせて、ぞんざいで粗野な話し方ですので会話しても楽しくはありませんので、私はいっさい雑談などいたしません。とはいえ、特別仲が悪いわけでもないです。流しっぱなしの水道を止めたり消し忘れの電気を切ったりする以外では、いっさい関与しませんし、心を悩ませることもありません。
私は、兄のために母屋のほうに、パソコンとインターネット環境を提供しています。兄は毎日やって来ます。玄関付近に人が来ると人感センサーが電波を飛ばし私の部屋でジングルベルの音楽を鳴らします。すると私は気まぐれにUSBスイッチを押してwebカメラを起動します。そのカメラは玄関付近の景色を写します。6つあるモニターの一つが木立がそよぐ窓の外の風景になります。うろうろする兄が時たま小便をし始めたりするので、大急ぎでスイッチを切ります。兄は母屋のトイレにもガラクタを積み上げていて使用不能にしています。兄はいっさい掃除をしないのでトイレを使用されるとかえって汚くなります。庭には落ち葉が沢山積み重なっているので、自然の浄化作用が機能するし、良い堆肥も出来るので良いのです。
兄は次から次へと温室を増築し、様々なストープを試した結果、今はたぶん経済的な理由から薪ストーブでドラム缶風呂を炊いて温室を温めています。熱帯植物への過剰な愛情を注ぎ込んでいるみたいですが、温室は隙間だらけで天井は煤で薄暗くてなんか悲惨です。小さいバナナを少し実らせているのは見たことがありますが、どうも成功しているようには見えません。
岡山のバナナ研究家が40年の研究の末、苗に「氷河期を体験させる」という手法で露地栽培も可能なバナナを開発しました。高価格ですが味が良いので大人気です。
人間もじっくりと孤独や貧乏を経験することで、ストレスに強くて人あたりの良い人物が出来上がるでありましょうか。
キリスト教の隠者は一日中神様にお祈りなど無駄なことして過ごしながら信者からも尊敬されます。現代日本の若い隠者はひきこもりだとかニートだとか蔑まれて、本人も自分自身を責めて精神がおかしくなったりします。気の毒です。